7ヶ月・幼児
私達の7カ月になる子供は、生後すぐに産院での「新生児スクリーニング」という検査にて難聴の疑いを指摘されました。その後の精密検査の結果、右耳は無反応、左耳は90デシベルの大きい音で、ごく小さな反応という聴力であることがわかりました。先天性難聴は新生児の1000人に1人の割合で起こり、その多くは補聴器の効果が乏しい感音性難聴と言われる、比較的重度の場合が多く、原因もはっきりわからず、現代の医学では、治る見込みはない、といった絶望的とも思える説明を医師から受け、2度目の精密検査のときには、早期療育施設を紹介されました。確かに、どんなに大きい音がしても驚かず、耳元で話しかけてもおとに対する反応は全くありませんでした。
失意の中、何とか改善する方法はないものか?とありとあらゆる模索をし、その中で見つけたセタガヤ治療室さんに、ご相談申し上げました。 すると、赤ちゃんの発達を促す小児鍼でアプローチして下さるとの事で、藁にもすがる思いでお願い致しました。
こちらに通いだして3ヶ月程度で、ある変化が起こりました。物音に対し、ゆっくりと顔を向けたり、頻繁に声を出したりするようになったのです。これはもしかすると聞こえているのでは?と思えるようになりました。
そして生後6か月での3回目の精密検査を受けました。結果は、右耳は50デシベルのおとに反応があり、左耳に至っては、生後6か月の赤ちゃんの平均的な聴力に、ほぼなっているとの事でした。大変な驚きと喜びでした。 今後は定期的に経過観察していく事を告げられ病院をあとにしました。これからもこちらでの鍼治療を続けさせて頂き、音の反応に対し注意深く観察しつつも、大切に育てていきたいと考えております。
その後、2年4カ月の治療を経て、無事卒業しました。「七つの子」「チューリップ」の2曲をしっかりした音程で歌ってくれました。それを聞いた我々スタッフ一同は、うれし涙で見送りしました。